映画-etc, TV: テレビ-ドキュメンタリー

イージー・ライダー☆レイジング・ブル

アメリカンニューシネマについてのBBC制作のドキュメンタリーです。日本語版が出ていることに気付かず、GoogleVideoで観ました(レンタルでもありそうだ)。

■プロモーションビデオ(3分)

■本編(2時間)いままで本を読んできて、知っていることが多かったけど、実際に動いている画や、写真がたくさんあって、(シャロン・テート事件の後のポランスキーの記者会見とか、『雨の中の女』のメイキングで写っている、ヒゲの無いルーカス)興味深くて最後まで一気に観てしまった。すごく手間がかかっているドキュメンタリー。こういうの作りたいなぁ。

映画を意識的に観始めたのが、78年くらいの『未知との遭遇』以降なので、映画=アメリカンニューシネマなので、そのあたりが一番良く知っていると思う。小林信彦に云わせると、「アメリカンニューシネマから映画体験を始めた人は悲惨である」なのだが、でもこの時代はものすごく豊穣だと思うよ。それまでのきれいごとの制約を取り払っていく有り様は、いまのシリコンバレーのギーグたちに通じていると感じた。

コッポラ、ルーカル、スピルバーグ、スコセッシ、ボグダノビッチ、アルトマンという監督たちも、業界の外から来たいわば素人だったわけで、彼らがハリウッドをガラリと変えていく様は今さらながらすごいなあと思った。東映の岡田社長が任侠路線を実録路線に変えたようなものか?それくらいハリウッドが切羽詰っていたということなのだろうね。

でも彼らは、ハリウッドを破壊したいわけじゃなくて(一部にはそういう考えの者もいたと思うが)、古典的なハリウッドに憧れていた。だから、『ゴッド・ファーザー』、『ニューヨーク・ニューヨーク』、『ラストショー』(ペキンパーのすべての映画はそもそもクラッシク映画のリメイクだ)という映画を平気で作る。

そして、コカインと反体制映画でボロボロになっていくニューシネマにトドメを刺し、オールドハリウッドを救ったのは、『ジョーズ』と『スター・ウォーズ』を作った、飲まない吸わないのヲタクたちだったんだよね。今のハリウッドが、その延長にあることがよくわかる。
来年のアカデミー賞で、ロジャー・コーマンにオスカーを与えるのは、ハリウッドお得意の歴史修正なのだろうか。ドライブインシアター映画も、広い意味でハリウッド映画ってことなのか?プレゼンターはスコセッシとコッポラだろうか…。
ロジャー・コーマンのように、ハリウッドが拾い切れなかった観客や監督たちを使って、ひとつのジャンルと言うか独立した勢力を作ることができるのは、アメリカの層の厚さというか底力なのだろう。

「映画秘宝 70年代映画懐かし地獄」の最初の対談は、この番組の基になった同名の本が元ネタっぽいです。

もうこの時代すら、若い人達には歴史なのかな?

デニス・ホッパーのインタビューで『イージー・ライダー』を撮影していると、向こうからコッポラの『雨の中の女』の撮影隊がやってきて路上ですれ違ったと語っていた。それ自体がロードムービーで、なんかその場面を想像するといい話だなと思った。

Pocket
LINEで送る