映画-つ

劔岳 点の記

「人がどう評価しようとも、何をしたかではなく、何のためにそれをしたかが大事です。悔いなくやり遂げることが大切だと思います」

この台詞の後から、映画がとてつもない熱を帯びて来て、こちらの息が詰まるくらい、鬼気迫るほどの美しいシーンが最後まで続きます。暗闇でひとりでボロ泣き。

撮影が順取りで、二年をかけてようやくここまで来て、最後に劔岳に向かう前に、この台詞を聞いた参加している全員の気持ちが乗り移ったようだ。それが画面を通じてひしひしと伝わってくる。
だから映画はおもしろい。

重い機材を背負い、登山道を9時間歩いて、1カットの撮影。冬の撮影の過酷さに、観ているこちらのほうが気絶しそうになります。
一応書きますが、キレイなだけの画、いわゆる絵はがきカットはひとつもありません。それは映画人の挟持であり、映画の中の風景とはそういうものだからです。その素晴らしさ、観たことの無い画に惚れ惚れします。

二時間以上、この映画の時間に取り込まれると、下界のどうでも良いことは、ホントどうでもよく思えてきます…。ストーリーに途方も無くドラマチックなことがある訳でも無く、淡々と時が刻まれるだけでなのに、映画自体が壮大なドキュメンタリーとして立ちはだかってくる様に圧倒されます。

あとでテレビモニターで観るときっと後悔しますから、ぜひ劇場へ!

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