映画-し

四月物語

 98 岩井俊二 (ビデオ)

   私的には、岩井俊二はのれるのとのれないのは二つに分かれる。前者はコミックか出来るような設定や画面に思きをおいたもの、『Undo』、『PICNIK』、『FRIED DRAGON FISH』、『スワロウ・テイル』。後者には『Love Letter』とこの『四月物語』が入る。

 ま、それは、趣味の部分があるから一概にどれが言い悪いは言えないが、どうも青春映画の残滓みたいな映画はどうも好きではない。好き嫌いで語ると不公平だから別の方向からみると、ノスタルジーを語る、たかだか30幾つの人間が語る大学生活についてとか、高校時代の話なんてどこにも出口のない甘いだけの菓子のようないい気なもんだ映画(近頃40くらいでもそんなことしている映画もあるけど)、近過去を美しく描くなんて今の日本じゃそんなに困難な作業じゃないし、選ばれた東京の風景が東京である必然性でもないし、どこでも景色がきれいなところであればいいんだというほど匿名性に満ちている。要するに、まさしく上京者の視点な訳。

 画になりそうなところを切り取った東京の景色は美しくない。美しいと思ったあなたはCMの見すぎだ。たかだか40分程度の短編に目くじらをたてることはないんだけど、気になるんだよね、街の匂いのしない(特に東京郊外の武蔵野にこだわるのならもっと撮れる画はあるぜと言いたい)いい気なノスタルジーは、8ミリで撮れ。

 というか、岩井俊二は批評もんから無視されているんだけど、映画はいっぱい撮れるはずだから、撮ればいいのに。巨匠ぶって何年も企画暖めても仕方ないだろうと思う。つまらなくても良いからたくさん撮るべきだと思う。キネマ旬報から無視されようと。 ポニーキャニオンなんか潰してもいいから。誰かがやらないと面白い映画の流れは生まれてこないぞ。

(角田)

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