映画のヴァーチャル・プロダクション

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果たしてゲームエンジンで、映画は製作できるのだろうかと考えているときに、タイミング良くこの記事に出会った。

「インディ映画製作者が、ヴァーチャルプロダクションを考慮すべき理由」という興味深い内容の記事だった。VFXを重視した映画では、プリプロダクション、撮影、ポストプロダクションの境目は増々曖昧になって来ている。そして制作は現実からヴァーチャル空間へと移行していく。いや、その境目も曖昧になって来ているというべきだろう。さらに付け加えるなら、実写とアニメーション、ゲームの境界線すら溶けかかっていることがわかる。

 

プリプロダクション段階では、ピッチヴィズ(Pitchvis)で企画書を3Dアニメーション化して、出資者に映画企画の魅力を訴える。『ワールド・ウォーZ』の脱出シーン。

実際に撮影された脱出シーン

プレヴィズ(Previs)は、画コンテ(ストーリーボード)の3D動画(アニメーション)版と言える。複雑な撮影シーンを事前に視覚化することで、各セクションが共有のイメージを具体的に掴むことができる。カメラアングルを自在にシミュレートできるので、撮影、美術だけでなく、製作部も撮影現場の機材の規模を見積もることができる。ここで重要なのは、プレヴィズは撮影前のコンテではなく、仕上げの最終イメージとほとんど変わらない映像で検討作業ができるという点だろう。

CGソフトMayaを使ったプレヴィズ。ヴァーチャル空間のカメラの動きをモーションコントロールで記録して、現場で全く同じカメラワークを再現も可能になっているとのこと。

 

撮影では、演技とカメラワークをリアルからヴァーチャル空間に落とし込む時には、モーション・キャプチャー(Motion Capture)と、ヴァーチャル・カメラ・システム(Virtual Camera System (VCS))が必要になる。モーション・キャプチャーについては、価格とシステムが日々技術更新されているので、実際にゲームエンジンでどこくらい容易く使えるのかを含めて、もう少し調べてみたい。記事によると、業界標準はMotive by Optitrack。日本での取扱はこちら、イイお値段ですね。低予算ではSmartsuit Proということですが、こちらも国内だとなかなかイイお値段。

年間6万円のライセンスのモーション・キャプチャーもありますね。

ヴァーチャル・カメラ・システムもよく理解できていない。ソフトウェア内のカメラならアフターエフェクツや3DCGソフトに搭載されている。ヴァーチャルカメラだと、カメラを物理的に操作できて、その動きを記録するからポスプロでカメラワークが変更可能ということかな。


『レディ・プレイヤー1』のメイキング映像を見ると、ヴァーチャルセットでスピルバーグが手にしているのは、ヴァーチャルカメラだろうか。この場合、カメラで撮影はせずにモニタリングだけだとは思うが。こうなってくると、VR空間をカメラで覗くというのは、果たして非現実のARなのかという疑問が出てくるが、もうそのあたりの細かい違いは言葉遊びなのか。

IMAX® Presents: Steven Spielberg & Ready Player One

 

あと撮影で気になるのは、セットや小道具あるいはキャラクターをどう作るのかですね。フォトグラメトリー(Photogrammetry )は、CGソフトを使ったモデリングや3Dスキャンではなく、写真から3Dモデルを作成します。小道具から、セットそのものまで。こちらの記事が素晴らしくわかりやすいです。Photogrammetryのススメ ~ソフト比較と質感設定~

YAMAHA WR250R by kazukisakamoto on Sketchfab

実景もドローンを使ってデータをキャプチャーすることで、巨大な建造物(屋内も)や広大な屋外ロケーションのモデリングができる。

私がフォトグラメトリーのことをはじめて知ったのは、『マッドマックス/怒りのデス・ロード』のVFX。イモータン・ジョーの砦を写真撮影からモデリングしたと読んで驚いた。

ポストプロダクションは、リテイクやスタッフの確認作業の協業の話になるので割愛。今後、更に調べてみたいのは、風、雨、煙などの自然表現や衣装や髪の質感などの物理シミュレーションが、どれくらい簡単にできるのかですね。

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