映画-し

死国

 99 長崎俊一(新宿ビレッジ1)

 一本じゃ足りないから、仕方が無い『リング2』の併映作品を決めなきゃね。ということで製作サイドから、角川書店原作で、ミス・東京ウオーカーを使えなどの縛りありきで、最後にじゃあ監督はどうするなんてことで始まったんじゃないのか。

 本気で参加している人間がいるとは思えないんだけど。撮影の篠田昇(岩井映画でお馴染みの)だけ狂っていて、映像が手持ちのクレーンありのフィルター、スモーク、高感度現像ビシバシのほとんどカメラのテストフィルムかと思いました。長崎俊一は何をしていたのか?何もしていないように思えたのはボクだけか。

 というか怪奇、ホラー映画の基本が分かっていない人間にいくら撮らせても無駄だよ。と思う。こういうスプラッターじゃない路線を新角川映画は敷こうとしているのだろうか。でも観客もバカじゃないからすぐに退屈さを見破って飽きてしまうと思うよ。質的に『CURE』、『リング』、『死国』は観客に対して同質の恐怖を与えていると思う。悪くはないがバリエーションが無さ過ぎると思う。それは=ジャンルに対する偏愛、解釈が稀薄だということだ。

 『死国』は演出のダメさは仕方ないにしても、脚本としてファンタジーとしても成立していない。ラストへ至るカタルシスの積み重ねが足りないんだよね。普通だったら驚かしとか、ハッタリを噛み合わせたり、生きている人間の嫌らしさを誇張したりして観客を不安にさせて畳み掛けるようにしてもっていくのだが、この内容じゃ誰も納得しないね。  原作だと転生がファンタジーとして描かれるから許されると思うのだが、それを画にするには説得材料が足りなさすぎる。最後までそんなことどうでもいいじゃんと思わせてしまったところは罪だ。

 中川信夫とは言わないが、嘘でも良いから市川昆みたいに忘れられない画を一つくらい撮って、「まあ、いいんじゃない」という感想を引き出せるくらいにしなきゃ、 この路線ジャンルは死にます。頼むから『プライベート・ライアン』じゃないんだから音でごまかすのはやめてくれ。(『CURE』のパクリだ、音の使い方に関しては)やっぱ、映画は短編を脚色した方がいいんじゃない。想像力を使うところがない。ちなみに原作は読んでませんが、四国の人は怒らないのだろうか、これを観て。

 (角田)

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