映画-ひ

漂流街

 00 三池崇史(熊谷マイカル)

 三池side-Bに当たる原作モノの過剰演出作品。誰か止めてくれえ。凡百の日本映画のなかではダントツに面白い三池だが、ちょっとずれているというか、丁寧に撮ってほしいなあ。主演の二人が喋れない、演技が出来ないのは仕方がないけど(ストーリー展開で致命的といえばそうなのだが)、埼玉県のバスジャックで乗れるハズなんだけど、 ダメなのはあの看板のクレーンショットのせいだ。インスタントカレーの大看板だが、いかにもしょぼい。もっと本格的に贋作するか、大塚食品のタイアップ取るとかしないと、作品にかける意気込みの程度が見えちゃうんだよ。観客が乗れないし、作品のクオリティーがぐっと下がるんだよね。あのシーン全体が予算の関係で……というマイナスイメージにしか見えてこないんだ。

 同様なことが渋谷ロケや彼らのたまり場、結婚式のシーンにも言えるたぶん今回はコダックのフィルムを使っているんで、発色が非常に良く出るんだけども、 美術にカネをかけてないし構図を整理し切れてないから、隅っこに赤いものや青いものとか写っているとすごく気になる。寺山修司が「ロケで青いポリバケツがあると全部どける」と言っていたが、まさにそういう注意がなされていないと感じた。カメラマンの責任だけどさ。その意味じゃ、北野武とやっている柳島カメラマンは鍛えられていると思う。音響もドルビーSRを使い切れてないと感じる。ミキシングも普段と変わってないようだが、非常に大袈裟、大雑把に聴こえる。

 無垢な盲目の美少女というのもねえ、いつの時代の話だと突っ込みたくなる。シナリオはもちろん全然ダメだけど。及川ミッチーも間抜けすぎるわい。渋谷に闘鶏場があって、その地下に中国マフィアがいる。なんてどうも空間が繋がってないんだよね。吉川晃司の怪演があったから持ったようなもので、羅列のストーリーは全く頂けませんわ。カポエラの戦いも迫力ないし、沖縄に一度行って戻るなんて、ご都合だよね。ラストの海のブルーだけがコダックの良さが出てました。

(角田)

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