デジタル世代のための テクノロジーアートとしての 映画/映像史サバイバル講座 ~ラスコーの洞窟からゴダールまで~

2012年12月から2013年9月まで断続的に6回にわたり、現在は活動を休止しているKINEATTICさんと「デジタルシネマ・サバイバルハンドブック」と題し、映画/映像のテクノロジー史について毎回60〜100分の講義をしました。少し時間が経ちましたが、Ustream中継録画を書き起こしたpdfファイルを公開します。本文中に写真を挿入しましたが、当日のスライドを併せて見たほうが理解しやすいかもしれません。文章の細かい再編集作業は行っていないので、語尾の不統一や内容の重複がありますがご容赦下さい。改めて読み直すと、その後、情報が更新されたために、現在では考えが変わった部分もあり、大幅に加筆したい気もありますがキリが無いので、当時のままの記録の報告として残し、とりあえず一段落付けたいと思います。余り語られることのない映画史のもうひとつの流れとしてお読み頂けましたら幸いです。

 

pdfファイル

講義資料スライド(Slide Shareのページへ飛びます)

Part.1 Part.2 Part.3 Part.4 Part.5 Part.6

 

目次

Part.1 映画史100余年、創造的破壊のためのレッスン 2012/12/05収録

はじめに  わたしのプロフィール  プロシューマーの時代が訪れる  クリエイティブは二十一世紀の産業  映画は自由になりたがっている  次世代の映画は誰が作るか  技術と技法の映画史を知る意味  テクニックとスキルの問題 アルチザンとアーティスト  新しい教科書、サバイバルハンドブック  「秘密の知識」が教えるもの  ヌーヴェルヴァーグと印象派  80年代映画ビデオ革命が語りかけるもの  フィルムからデジタルへ、無限の可能性

Part.2 第1部 そして映画はゼロ年に至る 2013/02/07収録

技術と技法の見えない映画史  リバースエンジニアリングの手法を使う  映像から映画への連続性 聖と俗のまなざし  魔法の幻灯機、マジックランタン スペクタクル(見世物)と万国博覧会  写真から映画へ  トーマス・エジソンとスティーブ・ジョブズ  リュミエール兄弟のスマホ=シネマトグラフ  テクノロジー・イノベーションの臨界点  テクノロジー主体のアートの宿命 

Part.2 第2部 われらが内なるハリウッド 2013/02/07収録

サイレント映画の美学  ビジネスとしての映画の完成  イメージコントロールの帝国 

Part.3 ヒッチコック/ウェルズ 2013/03/18収録

煉獄の中の自由あるいは生き残るためのレッスン  見えない映画のサイクル  ハリウッドは夢のブラック企業か  二人の天才、変化し続けるスタイル  運命のライバル サスペンス映画の巨匠  自由からの逃走  子どもが喜ぶ大きな機関車  ハリウッド映画の本質を暴き出した『市民ケーン』  ハリウッドの実験映画作家  国際自主映画作家  規格外のB級映画、『黒い罠』と『サイコ』 テクノロジーとテクニックで制約を越える  映画史上の最高のオープニングシーン  早すぎた未来の傑作映画  シャワーシーンの作者は誰か  新しい時代の預言者としての映画作家  天才の晩年 

Part.4 七〇年代アメリカン・ニューウェーブとアーティストスタイル 2013/05/15収録

ソフトウェアでハードの限界を超える  見えない映画のサイクル  絢爛豪華、テクニカラーの時代  ヨーロッパからの波  テレビ電波という波  クロサワショック  世代交代、アルチザンからアーティストへ  汚しと反逆者  ニューカラー派の勃興  光と色彩で描く  完璧主義のニューヨーカー  孤高の技術者キューブリック  自然光のパレット  堕ちたアーティスト  ルーカスの逆襲  世界で共鳴し始めるアーティストたち

Part.5 ニホン映画TVビデオ史考 2013/07/29収録

見えない映画のサイクル  伝説から真実へ  日本が世界に誇る撮影監督、宮川一夫  巨匠たちとの共同作業 黒沢明 溝口健二 小津安二郎 市川崑 黒沢明ふたたび  テレビの考古学  ライブからパッケージへ  テレビと日本映画 テレビマンユニオンと状況論  ENG革命  8ミリ映画ブーム  消え行く境界線  『お葬式』以前と以後 ハイビジョンとマルチメディア  Vシネからデジタルビデオへ  融合するテクノロジー

Part.6 ジャン=リュック・ゴダール 映画ビデオ技術の宇宙誌 2013/09/26収録

映画史と映画誌  見えない映画のサイクル  ゴダール伝説による時代区分  ゴダールを再定義する  五〇年代、暗闇での映画作り  六〇年代、映画技術と技法の実験  七〇年代  テレビとビデオの実験  辺境とスタジオ経営  アメリカ大陸への亡命  音と画の考察  あるカメラの物語と複数の映画史  九〇年代、インターネットとデジタルの実験  映画は自由になりたがっている 

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デジタルシネマ・サバイバル・ハンドブック#06

テーマは「ジャン=リュック・ゴダール、映画ビデオ技術の宇宙誌」

録画アーカイブ、10/3まで公開

< 講座の参考に>
「六〇年代ゴダール 神話と現場」拙書評記事

2006年にパリのポンピドゥー・センターで行われた、ゴダールの展示会の製作過程ドキュメンタリー番組が参考になります。前半はオープニングのモノローグ、ジャンマリーストローブのコメントに引き続いて、10分過ぎから展示会用に作られた作品『偽造パスポート』の製作の様子。自宅スタジオでの編集作業の様子やビデオライブラリーが見ることができます。55分過ぎからはビデオアート展に出品している学生たちとの映画とアートを巡る対話。最後にはオープン前の展示会場の様子です。近年のゴダールの思考や行動がよく分かります。
Morceaux de conversation avec Jean Luc Godard (120分 英語字幕)

展示会の解説記事。展示会場は、「一昨日」「昨日」「今日」の三つのセクション、35のビデオ・インスタレーションから構成されている。
Jean-Luc Godard Exhibition: Travel(s) in Utopia, Jean-Luc Godard 1946-2006, In Search of a Lost Theorem


『3X3D』”Three Disasters”


『言語よさらば』撮影風景 左からキャノン、パナソニック、フジ、ソニーのコンシューマー向け3Dカメラ

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Magic Lantern RAW for Canon EOS Kiss X4 (T2i,550D)テスト

キャノンEOSカメラシリーズの機能を拡張するマジックランタン・ファームウェアが、5DmarkⅢでRAWデータ収録できるニュースが飛び込んできたのは二週間ほど前だった。デジタル一眼レフの動画機能は、HD(1920☓1080)の解像度とともにMpeg4(H264)圧縮がかかり均質化された画調には不満があった。それが14bit/secのRAWデータを手に入れることができるようになった。

これまでデジタル一眼レフよりも高画質を手に入れようとすると、2K以上の解像度でRAWデータを収録できるカメラを手に入れる必要があった。Canon、SONY、ARRI、REDは100万円以上の業務用カメラに乗り換えるか、またはBrackmagicDesignの30万円クラスでRAWデータ出力ができる予定だった。それが同じ30万円クラスの5DMarkⅢで先に実現してしまった。今回のRAW動画を見て驚いたのは、3.5Kの解像度のカメラの画像と同等かそれ以上の表現力や深みがHD(≒2K)の解像度で見ることができたことだ。現在もAV家電メーカーが4K(UltraHD)または8Kの解像度を競って世界に広めようとしているが、映像の美しさは解像度では無かったと言えるのではないだろうか。果たしてこのことにデジタルカメラメーカーが気づいていなかったのかは非常に疑問が残る。素人でも気づくテスト項目だけど、メーカーにはメリットが少ない改良事項だから後回しにされたのではないだろうか。実際にPanasonicGH3の動画bitrateが高められている例もあるから。今後のメーカー側の動きにも要注目。

今回のRAWヴィデオの特長は、映像をヴィデオデータで保存するのではなく、RAWデータとして保存して、PCで解凍して静止画のTIFデータに展開して編集アプリなどで並べ、ムービーにする。謂わば映画の撮影のように1コマずつフィルムに写しそれを現像して繋げて一本のムービーにしていく原始的な方法を選択していることだ。よって手間はかかるが画質のロスは最小限となる。

5DMarkⅢに続いてCFカードが付いているカメラが次々とRAWヴィデオ収録ができるようになった。中古市場5万円程度で本来動画機能が付いていない40DまでもRAWヴィデオ収録ができるようになった。現在は、CFカードのデータ転送スピードの限界がRAWデータのサイズの限界なので、最終的には画期的なスピードのCFカードが現われないといつかは限界が来ると思われる。それまでに万人が納得する映像の美しい最適値が見つかると良いと思う。

さて問題はわたしが所有する Canon EOS Kiss X4 (海外の名称はT2または550D)だが、5/22頃から550Dフォーラムの有志の開発によるファームウェアが配布され現在も改良が進んでいる。KissX4はCFカードではなく、転送速度が遅いが安価なSDカードが使われる。もちろんヴィデオ収録には最速のclass10の方が良い(Sandiskを使用)。

KissX4RAWヴィデオ専用のMagicLanternファームウェアをインストールしたら、カメラ上部のコントロールメニューをビデオモードにする。そして本体右下のゴミ箱アイコンを押してMagicLanternのメニュー画面でMovieを選択。RAW Videoから解像度を選ぶ。

撮影は960☓544くらいの大きさなら安定するが、それ以上だとすぐにエラーが出る。撮影した後にモニターで確認することはできない。これは大きな欠点だがフィルム撮影と思えば大した困難ではないと言ってしまうのはアナログ育ちだからなのか。同録はカードに音声ファイルが作られるので編集で同期できる(メニューはあるが確認していません)。

 

ポスプロのやり方もまだ試行錯誤の状態。今回は自宅のiMac MacOS10.6.8での作業を記録する。photoshopやlightroomやFinalcutがあればもっと簡単にできるようだ(フォーラムを参照)。収録したRAWファイルをdngファイルに展開してさらにtiffファイルにする。それを1コマずつ順番に並べてムービーにする作業だ。

SDファイルのデータは、フォルダにRAWファイルとして保管されている。

デスクトップ等に新規にフォルダを作りRAWファイルをコピーして保存する。

RAW→dngに変換する。raw2dngアプリをダウンロードして開き、フォルダ内のファイルをドラッグ&ドロップする。展開されてdngファイルがフォルダ内に作られる。

dng→tiffに変換する。darktableアプリをダウンロードして開き、dngファイルをフォルダごとインポートする。(クリックで拡大)

このときカラー補正やグレーディングができる(右上メニューのダークルーム)。その後エクスポートの準備をする。このときフォーマットはtiffを選択。dngファイルが全フレーム分のtiffファイルに変換される。

FinalcutExpressHDでは、読み込めるはずのtiffファイルが読み込めなかった(拡張子違いか?)。

【追記】QuickTimeでも読み込み、ムービーファイル作成ができるという指摘を頂きました。

ek2008 @ek_2008

@ryotsunoda どうやらピクセル圧縮比?が原因みたいで、darktableから書出したtiff画像を全選択してプレビューで開く→プレビューで表示された画像を全選択してツールのサイズ調整を開き何も変えずにOKを押して保存で閉じる。これでQTシーケンスで開く事ができました。

 

AfteeEffectsCS3で、ファイルを連番で並べて.MOVファイルにしたがメモリー不足ですぐに止るので数秒ずつムービーにして最後に繋げました。長いムービーの場合は他の編集アプリなどを使った方が良いと思います。

tiffファイルを1フレームずつ順番に並べる方法はこちらを参考にしました。

完成したムービーですが、解像度896☓512、画面比率16:9、24コマ、書き込み速度18.3MB/secをカラーを補正してアップロードしました。ディテールが欠けていますね。

オリジナルの1コマのtiffファイル(2.6MB)をjpeg(455KB)に変換。(カラー補正していますが、ディテールが描写されている部分と影のグラデーションに注目)

 

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デジタルシネマ・サバイバル・ハンドブック#04

Ustreamアーカイブはこちら

 

前編 bit.ly/16hPtpv 後編 bit.ly/16hPtpx
#04 レジュメ
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これまでのあらすじ
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#03 レジュメページ

テクニカラーの原理

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