Magic Lantern RAW for Canon EOS Kiss X4 (T2i,550D)テスト

デジタルシネマ・サバイバル・ハンドブック#04
デジタルシネマ・サバイバル・ハンドブック#05

キャノンEOSカメラシリーズの機能を拡張するマジックランタン・ファームウェアが、5DmarkⅢでRAWデータ収録できるニュースが飛び込んできたのは二週間ほど前だった。デジタル一眼レフの動画機能は、HD(1920☓1080)の解像度とともにMpeg4(H264)圧縮がかかり均質化された画調には不満があった。それが14bit/secのRAWデータを手に入れることができるようになった。

これまでデジタル一眼レフよりも高画質を手に入れようとすると、2K以上の解像度でRAWデータを収録できるカメラを手に入れる必要があった。Canon、SONY、ARRI、REDは100万円以上の業務用カメラに乗り換えるか、またはBrackmagicDesignの30万円クラスでRAWデータ出力ができる予定だった。それが同じ30万円クラスの5DMarkⅢで先に実現してしまった。今回のRAW動画を見て驚いたのは、3.5Kの解像度のカメラの画像と同等かそれ以上の表現力や深みがHD(≒2K)の解像度で見ることができたことだ。現在もAV家電メーカーが4K(UltraHD)または8Kの解像度を競って世界に広めようとしているが、映像の美しさは解像度では無かったと言えるのではないだろうか。果たしてこのことにデジタルカメラメーカーが気づいていなかったのかは非常に疑問が残る。素人でも気づくテスト項目だけど、メーカーにはメリットが少ない改良事項だから後回しにされたのではないだろうか。実際にPanasonicGH3の動画bitrateが高められている例もあるから。今後のメーカー側の動きにも要注目。

今回のRAWヴィデオの特長は、映像をヴィデオデータで保存するのではなく、RAWデータとして保存して、PCで解凍して静止画のTIFデータに展開して編集アプリなどで並べ、ムービーにする。謂わば映画の撮影のように1コマずつフィルムに写しそれを現像して繋げて一本のムービーにしていく原始的な方法を選択していることだ。よって手間はかかるが画質のロスは最小限となる。

5DMarkⅢに続いてCFカードが付いているカメラが次々とRAWヴィデオ収録ができるようになった。中古市場5万円程度で本来動画機能が付いていない40DまでもRAWヴィデオ収録ができるようになった。現在は、CFカードのデータ転送スピードの限界がRAWデータのサイズの限界なので、最終的には画期的なスピードのCFカードが現われないといつかは限界が来ると思われる。それまでに万人が納得する映像の美しい最適値が見つかると良いと思う。

さて問題はわたしが所有する Canon EOS Kiss X4 (海外の名称はT2または550D)だが、5/22頃から550Dフォーラムの有志の開発によるファームウェアが配布され現在も改良が進んでいる。KissX4はCFカードではなく、転送速度が遅いが安価なSDカードが使われる。もちろんヴィデオ収録には最速のclass10の方が良い(Sandiskを使用)。

KissX4RAWヴィデオ専用のMagicLanternファームウェアをインストールしたら、カメラ上部のコントロールメニューをビデオモードにする。そして本体右下のゴミ箱アイコンを押してMagicLanternのメニュー画面でMovieを選択。RAW Videoから解像度を選ぶ。

撮影は960☓544くらいの大きさなら安定するが、それ以上だとすぐにエラーが出る。撮影した後にモニターで確認することはできない。これは大きな欠点だがフィルム撮影と思えば大した困難ではないと言ってしまうのはアナログ育ちだからなのか。同録はカードに音声ファイルが作られるので編集で同期できる(メニューはあるが確認していません)。

 

ポスプロのやり方もまだ試行錯誤の状態。今回は自宅のiMac MacOS10.6.8での作業を記録する。photoshopやlightroomやFinalcutがあればもっと簡単にできるようだ(フォーラムを参照)。収録したRAWファイルをdngファイルに展開してさらにtiffファイルにする。それを1コマずつ順番に並べてムービーにする作業だ。

SDファイルのデータは、フォルダにRAWファイルとして保管されている。

デスクトップ等に新規にフォルダを作りRAWファイルをコピーして保存する。

RAW→dngに変換する。raw2dngアプリをダウンロードして開き、フォルダ内のファイルをドラッグ&ドロップする。展開されてdngファイルがフォルダ内に作られる。

dng→tiffに変換する。darktableアプリをダウンロードして開き、dngファイルをフォルダごとインポートする。(クリックで拡大)

このときカラー補正やグレーディングができる(右上メニューのダークルーム)。その後エクスポートの準備をする。このときフォーマットはtiffを選択。dngファイルが全フレーム分のtiffファイルに変換される。

FinalcutExpressHDでは、読み込めるはずのtiffファイルが読み込めなかった(拡張子違いか?)。

【追記】QuickTimeでも読み込み、ムービーファイル作成ができるという指摘を頂きました。

ek2008 @ek_2008

@ryotsunoda どうやらピクセル圧縮比?が原因みたいで、darktableから書出したtiff画像を全選択してプレビューで開く→プレビューで表示された画像を全選択してツールのサイズ調整を開き何も変えずにOKを押して保存で閉じる。これでQTシーケンスで開く事ができました。

 

AfteeEffectsCS3で、ファイルを連番で並べて.MOVファイルにしたがメモリー不足ですぐに止るので数秒ずつムービーにして最後に繋げました。長いムービーの場合は他の編集アプリなどを使った方が良いと思います。

tiffファイルを1フレームずつ順番に並べる方法はこちらを参考にしました。

完成したムービーですが、解像度896☓512、画面比率16:9、24コマ、書き込み速度18.3MB/secをカラーを補正してアップロードしました。ディテールが欠けていますね。

オリジナルの1コマのtiffファイル(2.6MB)をjpeg(455KB)に変換。(カラー補正していますが、ディテールが描写されている部分と影のグラデーションに注目)

 

デジタルシネマ・サバイバル・ハンドブック#04
デジタルシネマ・サバイバル・ハンドブック#05
Pocket
LINEで送る