デジイチ、スカイウォーカーランチへ行く

DOFアダプターについて調べていたときに、イギリスの撮影監督のフィリップ・ブルーム氏がいち早く様々な機種を試して、その可能性を追求しているブログと動画作品に出会った。
http://philipbloom.co.uk/
この一年程で、DOFアダプターの主流は、それまでのDIYの手作りから、日本のカメラメーカーのデジタルカメラの販売戦略、「画素競争から表現力の違いを強調する方向へ」として登場したデジタル一眼レフカメラ(略称デジイチ、英語だとDSLR=Digital Single Lens Reflex camera)の付属機能としての、動画撮影機能を利用する方法へと変わっていったように思える。
ちなみにブルーム氏もこれらのカメラを使い続けて実際にCMやMVの作品を撮影している。

そのブルーム氏のもとにルーカス・フィルムのリュック・マッカラム(『スター・ウォーズ』エピソード1、2、3のプロデューサー)から連絡が来て、彼はサンフランシスコのルーカスフィルムの本社がある、スカイウォーカーランチへ飛ぶ。

http://philipbloom.co.uk/2009/12/12/the-tale-of-lucasfilm-skywalker-ranch-red-tails-star-wars-and-canon-dslrs/

そこで、彼は自分の使っている、Canon EOS 7D、Canon5D mkII、DOFアダプターのデモをする。そしてスカイウォーカーランチで撮影した動画を40フィートの大型スクリーンで上映した。

試写会場には、ジョージ・ルーカスと、たまたまスカイウォーカーランチに来ていたクェンティン・タランティーノが同席した。タランティーノはこれがデジタル一眼レフで撮られていることに驚いたという!
タランティーノの褒め言葉がイイ。

Quentin waxed lyrical, calling it Epic and William Wylersesque and was shocked it was shot on a DSLR.
クェンティンは、こいつは詩的で、ウィリアム・ワイラーのようだぜと、熱っぽく巻仕立てた、そしてこれがデジタル一眼レフで撮られたことにショックを受けていた。

デモは大成功で、ブルーム氏は来年2月に撮影をすることになるだろうと述べている。ただし、映画ではなくTVシリーズに使われるようです。

もし、Canonの関係者の方が読んでいたら、ぜひブルーム氏にコンタクトを取って欲しいですね。彼はCanon5D mkIIのファームウェアが間に合えば使いたいと云っていますから、間に合わなくとも評価版でも使ってもらえたら。ルーカスフィルムで使われたら、これ以上の宣伝効果は無いでしょう。

それにしても、世界最高クラスの最先端の映画テクノロジーを駆使するルーカスフィルムから、10万円台で手に入るデジタル一眼レフまで繋がってしまうデジタル映画製作の時代、それまでの業界の慣習や壁を簡単に乗り越える時代が、実際に来ていることがよくわかります。

Skywalker Ranch from Philip Bloom on Vimeo.

■ちなみに、場所が関係者以外には秘密と云われているスカイウォーカーランチは、ここみたいですね。

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DOF ADAPTER TEST:Spring Sunday Afternoon

[vimeo 1010612]

撮影・編集データを。

撮影は5月上旬、午後1~3時。

機材構成はいつものとおり。フィルターは、ロングショットでコントラストがきつそうなカットだけ、PLフィルターを使用。HDV24PAモード。シャッタースピードは1/48。露出計測は、基本的にカメラに任せてます。いろいろ開けたり、絞ったりしましたが、いまのところカメラの測光が一番バランスがいいです。

編集では FinalCutExpress。色補正等のフィルターは未使用。

感想としては、ノーマルな順光撮影を意識すれば、結構派手めなCanon独特な色合いは出ますね。デジカメみたいです。これはTamronレンズの特性ではないと思います。画面全体がフラットな感じになりすぎなのかなと思うのですが、絞っても暗くなるだけで、別に黒が締まるわけではないので、画のキレがでてくるとは考えづらい。そのあたりはもう一考です。

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The DV Rebel’s Guide

The DV Rebel's Guide: An All-Digital Approach to Making Killer Action Movies on the Cheap (Peachpit)The DV Rebel’s Guide: An All-Digital Approach to Making Killer Action Movies on the Cheap (Peachpit)

いつものように巡回していたら、アンテナに引っかかった。というか一年以上に知らなかったことが不覚です!

これから注文して読んでみたいのですが、惹かれた理由を書いてみます。

著者のStu Maschwitzは、サンフランシスコのVFX工房のOrphanageの 設立者のひとりです。これでピンときませんか?ビデオ画像に驚異のフィルムルックをもたらすプラグイン、MagicBulletの開発者なのです。

Orphanageといえば、エッジの利いたVFXのある映画には、必ずといってもいいくらいエンドロールに名前が載っています。なかでもロバート・ロドリゲスとは仲が良いらしい。この本の英語タイトルを読んで何か気がつきません?「Revel without a Crew」日本語タイトル「ロバート・ロドリゲスのハリウッド頂上作戦」という痛快な本に影響されているのではないでしょうか。いわば、本書はデジタルビデオ時代版の「ハリウッド頂上作戦」だと思います。ロドリゲスも本書の推薦文を書いている。

私が著者やOrphanageのことをはじめて知ったのは、Adobe AfterEffectsのGarallyサイトでした。元々ILMにいた彼とその仲間は、低予算でも自由な表現ができないか模索をしていた。その成果のひとつがMagicBulletであり、AfterEffectsを使ったデジタル合成技術だった。

Garallyで紹介されている自主制作の短編映画The Last Birthday Cardの予告編にはぶっ飛んだ。ここまでデスクトップでできるのかと感嘆した。ここから草映画のアイディアやCGソフトBlenderとの出会いがはじまった。それがいまようやくDOFアダプターまでたどりついたという気がする。

彼のブログを見ていると、情報と思索と実践が次々と出てきて、それだけで興奮してしまう。もちろんDOFアダプターも出てくるし、Canon HV20もRED ONEも当然出てくる。こんなことをリアルタイムに、号画を含め共有できるとはすごい時代になったものですね。いろんな意味で力が湧いてきます。

インタビューで、なせローバジェットのデジタルで撮る映画作りにこだわるのですか?と聞かれて彼はこう答えた。

「ロバート・ロドリゲスを見てください。彼はある一定の予算規模に抑えることで製作のコントロールを手に入れている。使う予算が少なくなればなるほど、より製作の自由を持つことができる。それはどの規模の映画でもいえるだろう」

■著者へのインタビュー(非常に明快に答えていますのでご一読あれ。)

■この本のオフィシャルサイト。(目次が載っています)

■Rebel Café Forum(本書から派生したフォーラム。これはすごいよね!これからじっくり読もう)

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日帰り旅行にもDOFアダプター

GWに、近場旅行をしてきました。行き先は栃木の栃木市。埼玉の川越、千葉の佐原と並ぶ、関東の蔵の町なんだそうです。

浅草から東武電車で90分ほどで到着。市内を流れる巴波川に小さな鯉がたくさん舞っていました。こじんまりとしているのですが、それほど観光地化されておらず、町もきれいで地方都市にありがちな寂れ方もなく、気持ちの良い散策ができました。

江戸時代からの蔵屋敷が並び、明治の初期には、一時期、県庁があったそうで、和洋折衷の建築物もなかなか見ていて楽しい。市内めぐりのあとは、バスに15分ほど揺られて、太平山へハイキング。小雨がぽつぽつと降るなか、軽い運動をしてきました。たっぷりと小旅行を堪能しました。

で、DOFアダプターと三脚を担いで撮ってきましたよ。撮影しながら歩くのはテンポとしてはちょうどいいですね。同行してくれる友人が撮影助手をしてくれたので大いに助かる!

編集する時間がないので、静止画をとりあえずアップ(なんとか週末にはむにゃむにゃ…)。

今回は、Kenkoのブラックミスト・フィルターを付けてみました。影や暗部がただ黒くなるのではなく、少し持ち上がりながら光が拡散して柔らかくなることがわかりました。フィルターに黒い微粒子が散りばめられて、それが光を拡散させてフォギーのような効果を出すので、逆に、フォーカシングスクリーンに粒子が反映している感じがしますね。

冷たい感じ、寒い感じの画面を和らげるには良いかもしれません。あと人間のクローズアップや室内照明で使っていないのでそのあたりはどうかなと思っています。

今回のように曇天で光がある程度回っていると、全体がぽわーんとしてしまいます。私は冷たい感じの画が好きなのでいまひとつピンときませんでした。

下は、翌日に公園で撮った風景。順光でPLフィルターを装着。外部モニターで見ても露出がよくわかりません。色々とテストをしたので、比較した動画をつくります。

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